2000年12月29日〜30日  2000年冬コミ  コミックマーケット59





  この時は初めてのコミケで、何もかも未知の状態でした。 それに、ネットで調べたりできる環境もありませんでした・・・
コミケについては名前は知っていた・・・という程度で、この時は開催日程だけ確認しておりました・・・



〜12月28日(コミケ前日まで)


 12月29日・30日に開催されるという冬コミ、それに合わせて12月27日から1月1日の6日間の東京旅行の予定をたて、宿泊地は千葉県市川に住む兄の家を使うことにしました。

 12月27日に東京入りして、翌28日、自分はビッグサイトへ行く方法を確認して実際にそれと同じように電車に乗って下見に行ってみた。
 宿泊地の市川から総武線快速で東京、そこから京葉線で新木場、そしてりんかい線でビッグサイトがある国際展示場駅へ・・・と、3本の電車で向かう。
 国際展示場駅に着いたもののビッグサイトの入口が分からないので、ビッグサイトへ向かう人に話しかけて聞いてみた。 その人は明日からのコミケの準備のために向かっていたそうで、入口を聞いたら東と西に分かれてそれぞれに並んでいくのだという。
 自分はまず、東の方から下見に行ってみた。
 歩いていくと、まだ前日の正午頃だというのに、すでに何人か東館の駐車場前にシートを敷いて並んでいた。

「すげぇ! もう明日のために並んでいるのか・・・」

と思ったが、今回初コミケである自分はコミケについての色々な話を聞くために勇気を持って並んでいる中の1人に話しかけてみた。
 その人は、本当は友人を含めた何人かで明日に向けて並ぶ予定だったのだが、その友人達が都合で前日から並べなくなり、その人が1人で明日の朝まで待つことになってしまったらしい。
 とても退屈そうにしていたので、コミケに関する色々な話をこの人に聞いていた。
 この時、徹夜して並ぶ人達のほとんどが確実に狙うサークル 「CUT A DASH!」 のことを知った。 他には、コミケのスタッフの手伝いをすると優先的にスペースをゲットできる青封筒のこととかも聞けた。

 ・・・それとこの後、この人から謎の名簿の噂も聞けた。
 名簿はその人の話によると、非公開でコミケの数日前から受け付けているものらしく、その名簿に記名するとその時点から並んでいると見なされて、コミケ当日に徹夜並びで待っている人よりも前に並ぶことができるらしい・・・というのだ。

 今まで、札幌で北海道最大級の大規模イベントに参加したこともある自分だが、そんなものとは桁違いの話を聞き、改めてコミケの凄まじさを感じた。

 その後、午後4時頃にそこで知り合った人達と有明フロンティアビルのサンクスへ買出しに行った。 このビッグサイト周辺で唯一のコンビニだ。
 そこで目にしたのはこれまた凄い光景だ。
 店の外には饅頭を蒸しているガラスのケースやカップメン用と思われる多数の給湯ポットが準備されていた。
 しかも、店の中でもレジが通常の2台から5台に増設され、レジャーシートやフェイスタオルなどが商品棚以外にも仕入れ時に入れて運んでくるケースで3つか4つ分くらい積み重なっていた。
 これら全てがコミケ対策なのである。 凄い・・・

 その後、日は沈んで夜になり、自分は宿泊地の市川へ戻る。 帰る時、その知り合った人に明日の朝来た時に待っているところに入れてくれることとなった。 明日の保険ができて一安心した自分は夜6時頃、りんかい線 → 京葉線 → 総武線快速と、ここに来るまでに乗った電車を逆に辿って宿泊地の市川へ戻った。
 ちなみに、自分が帰る頃にはここのスペースに30〜40人くらいが並んでいた。 自分はビッグサイトの下見の後、お台場フジテレビへ行こうとしていたのだが、結局は下見で1日終わってしまった。

 自分は当初、 「コミケは午前10時開催だからだいたい2時間前の8時くらいに行けば良いかな?」 と思っていたが、前日の下見で力入っている人たちを見たら 「8時ではダメだ。 出来るだけ早く行くぞ。」 と、始発で行くことを決意した。
 市川駅へ戻った時、総武線快速の始発の時刻を調べ、明日の朝に備えることにした。


12月29日  冬コミ1日目


 12月29日、初のコミケの初日。
 たぶん、午前4時頃に起きたものと思われる。 で、市川駅5時05分発の総武線快速始発に乗る。 東京駅では京葉線ホームへの長い道のりを走る。 京葉線のホームが近づくにつれて自分と同じように足早にホームへ向かう人が増えてくる。
 その後、新木場駅に着いてドアが開いた瞬間にみんな走り出し、りんかい線の改札口周辺になだれ込む。 りんかい線の切符の自販機全てにあっという間に列が出来上がる中、前日の下見の時ににりんかい線のプリペイドカード「パスネット」を買っていた自分は列に並ぶことなく改札をパスできた。

 その後、りんかい線に乗って国際展示場駅に着いた自分は、温かいお茶を差し入れを持って下見で話していた人が待っている東館の駐車場へ向かった。
 駐車場に着いたらすでに大勢の人がいて、いくつかの列ができていた。 列と列の間には工事現場などにあるカラーコーンなどで仕切られている。
 列の端には 「250」 と書かれた紙が貼ってあり、この時点で列が12列まであったので3000人くらいいたのではないかと思われた。
 午前6時ではまだ空は真っ暗で、さらにほとんどの人が寒さ対策のためにフードを被ったり、うつむいていたのでその人がどこにいるのか分からない。 結局見つけるのに30分くらいかかった。
 見つけた時、その人は4列目辺りにいた。
 昨日、下見の時に2番目にいたその人がなぜ、こんな場所にいるのか?
 聞いてみたら、かなり大変なことが起こっていたらしい。

 28日の午後6時から29日の午前6時まで・・・ 自分がビッグサイト周辺にいなかった12時間・・・
 自分が帰った後もあの場所にそのまま並んでいたら、午後8時頃に係員が来て、駐車場前で並んでいる人達を強制的に解散させた。
 それから並んでいた人達の間で 「別の場所で並びが始まった」 という噂があちこちで流れ始めたが、午後11時頃に係員が現れてその時集まってきた人達を誘導して延々と歩かせる。
 ちなみに、延々と歩いている間にもその集団の中で抜きつ抜かれつの攻防が繰り広げられた。
 そして辿り着いた先は東館の駐車場の中で、その状態で午前3時か4時くらいまで待たされた。
 その頃から西館で並ぶ人達がこの集団から抜けていき、その後に前日聞いた「名簿」に記名したと思われる人達が前に入ってきてこの位置になったのだという。

 ・・・なぜこうなったのか? 理由として考えられるのが、規則で徹夜は禁止となっているものの超人気サークルが出展する以上、徹夜する意思のある人はなくならない。 だから、せめて徹夜で並んでも割り込まれたりして、 「徹夜までして並んでもあまり意味がない」 ということを徹夜並びをする人に思わせようとしているのではないか・・・と思った。

 この東館の駐車場には、許可を受けたものかどうか分からないが温かい食べ物を売る屋台カーが2・3台ほど出動していたが、どれも長蛇の列・・・ 駐車場の外れの方には簡易トイレが30基ほど設置されているが、これにも長蛇の列が並んでいる。
 また、一般入場で並んでいると抜き打ちで列整理が行われる。
 列整理は開場までの間に何回か行われ、列整理が行われたときにトイレや買出しなどで不在にしていると、空いているスペースを詰めさせられて戻ることができなくなるという恐怖の行為。
 絶対に戻れないのか・・・というとそうではなく、その人が居たブロックに仲間がいて、その人が迎えに来るとそこのブロックに 「一緒にいた」 と見なされて戻ることができる。 ただ、午前7時頃から回線が混み合うためか携帯電話がかかりにくくなり、ブロック内にいる仲間と連絡が取りづらくなるので大変である。
 ちなみに最後に列整理が行われるのは午前9時頃で、それ以降ならトイレなどに行っても大丈夫だが、行くと10時の開場までに戻って来れない可能性が高い。

 自分はその知り合いの人と待っている間、特にすることが無かったので周囲の人と話をしていた。 で、話しているとよく出てくるのが 「どこの同人誌狙いですか?」 という内容。 周囲の人のほとんどは狙うサークルに 「CUT A DASH!」 の名前が出てくる。 でも、自分はコス撮影のためにコミケに来たのだから、そのように言うと

「ココ(徹夜組)に並んでいて、(CUT A DASH!の同人誌を)狙わないなんて珍しいですよ。」

とまで言われた。

 そんな周囲の人達は午前8時から9時頃になると打ち合わせを始める。
 打ち合わせとは、数人で来ているグループが広大な東館のサークル見取り図を片手にグループの誰がどのサークルに並ぶか、を決めること。
 しかも、ただ並ぶのではなく、「A君は○○のサークルに並んで、B君は××のサークルに並んで (中略) A君は○○で新刊を2冊買えたら△△のサークルへ、1冊しか買えなかったらC君も○○のサークルに並んで・・・」といった感じで、グループメンバーそれぞれに欲しい同人誌が行き渡るように細かい打ち合わせを行っていた。
 ここでの2冊・1冊というのは、コミケ特有のシステムなのかは分からないですが人気サークルに早く並ぶことができた人は同一の同人誌を2冊(場合によってはもっと多く)買えるが、在庫が少なくなると1冊しか買えない、というシステムがあるという。
 これは「CUT A DASH!」でも同様のことが行われている。
(このシステムが徹夜並びを助長しているとも思えるのだが・・・)
 中には、これで2冊買って余った1冊をネットオークションに出品して小遣い稼ぎをする者もいる。 実際、冬コミ1日目に出展した「CUT A DASH!」の同人誌がその日の夕方にはネットオークションに何冊も出品されており、すでに何件も入札があった。
 落札額はサークルや出品時期によって異なるが、「CUT A DASH!」なら1万円くらいになる。 今回は2000円だった新刊の同人誌が1万円にもなるのだから学生などには良い小遣い稼ぎである。
 ちなみに、サークル参加する人はブースの準備などで一般入場の人よりも先にビッグサイトに入れる。 そこで、一般よりも先に入場できる 「サークルチケット」 だけを目当てに申し込む 「ゴーストサークル」 も多いという。
 実際、まだ会場前なのに人気サークルには行列が出来ていることもある。 (ただし、販売開始は開場の10時からとなっているらしい。)
 ただし、普通にサークル参加をして仮にチケットが3枚手に入った時、サークルの店番が2人で済むなら残った1枚を人気サークルに並ばせる人に使わせることもできるので、10時前から並んでいる人がみんなゴーストサークルとも言い切れないようだ。
 なお、余ったサークルチケットをネットオークションで売る者もいるらしく、話では1万円〜1万5000円くらいの値段になるらしい。

 開場が近くなり、自分も周囲の人達もそれに備える。
 そして10時近くになった時、前の方の1〜2列が動き始めた。
 でもその後、列が動くことがないまま10時の開場の時間を迎えた。
 すると、列の前の方から東館の入口に向けて走り出し、それは次第に自分の列にも及びました。
 自分も列に周囲の人に合わせて走り出しました。
 途中、コミケの係員が何人も 「危ないですから走らないでくださーい!!」 と叫んでいたが、誰も走るのを止める様子はない。 むしろ、逆にこの状況で走るのを止めたら将棋倒しが起こる可能性もあるので逆に危険かもしれない。 

 東館の入口から入った列は各ホールに散っていくが、自分は同人誌を買わないのでその列から外れてコスプレ広場を目指す。
 広いビッグサイト内を延々と歩く。 そしてコスプレ広場に着いた。
 それからは今までのイベントでも撮ったことないような勢いで撮影していった。
 そんな中、コミケで初めて体験したこともある。
 それはカメラマンが大勢で撮影していると、いつまで経っても撮影が終了しない。 そこで、スタッフがカウントダウンを始めて「0」になると強制的に撮影を終了して集まったカメラマンを解散させる、というシステム。
 これをスムーズに行うために広場の中を数人のスタッフが常に巡回しているが、それでも人が多くなりすぎると手が回らず、一人で行動するレイヤーさんは撮り終えたカメラマンなどにカウントダウンをお願いするケースもある。

 それと、コミケではコス撮影は横一列で一斉に撮影するのだが、カメラマンが少数の場合は並んで順番に撮ったりする。 その時、 「カメラマンの中にレイヤーさんがいた場合、順番に関係なく優先的に撮らせる」 というルールを使うレイヤーさんがいる。
 これは、順番待ちをしているレイヤーさんも撮られる立場であり、そのレイヤーさんが待つことによってその人を撮りたい人も待たされてしまう・・・という点への配慮からきていると思われる。 この配慮に関しては自分も賛成である。
 だが、札幌や釧路のイベントでは撮影に待ち時間が発生することはほとんど無いので、このルールが全くというくらいに浸透していない。

 それと、レイヤーさんとカメラマンが札幌や釧路のそれとハッキリ違う点がある。
 それは、「撮られ慣れ・撮り慣れ」している人が多いという点。
 お互いに慣れた人同士だと、カメラマンの色々なポーズの要求にレイヤーさんは素早く対応して、異なるポーズ・アングル・表情などを提供する。 その動きに全く迷いがないのである。
 撮る方も2枚、3枚ではなく10枚以上撮っている人もいるし、コスプレ撮影なのに接近して顔のアップを何枚も撮る人もいた。
 撮られる方もコスプレしているキャラのポーズではなく、コスプレしている自分を魅せるポーズを出していく。
 撮られ慣れの人は顔アップの撮影も多いので、顔付近での手や指を使ったポーズの種類をたくさん持っているようだ。
 きっと、カメラマンの要求に対し素早く対応していけないと、後から後からやってくるカメラマンを消化しきれないんだろうなぁ・・・とも思った。
(聞いた話では、お目当てと思われるレイヤーさん1人に対して30枚撮ったカメラマンがいたという。 これを消化するにはかなりのポーズの種類が必要だろう。)

 他には、レイヤーさんは更衣室使用料として1日につき600円かかる。 中にはコスプレしたままビッグサイトまできて、この600円をケチる人もいるという。

 コミケのコスプレ広場は午後3時で終了する。
 コスプレ広場の横には企業ブースがあり、そちらでは仕事で出展ゲームなどの衣装のコスプレをする人もいるが、OKがもらえればこの人達も撮影できる。 企業ブースは3時以降も空いているので、カメラマンはコスプレ広場終了後、こちらに移動して企業ブースの人を撮影したりする。

 午後4時、ビッグサイトから出ると、同人誌などの発送のためにフットワークの運送用トラック20台ほど荷台を横開けにして待機していて、ここでも長蛇の列ができていた。

 この頃、明日の朝をどうするか決めなくてはいけないのだが、昨日知り合った人の連絡先を聞いていなかった。
 半ば諦めながらもあちこちを捜していたら、運良くワシントンホテルのマクドナルドで発見。
 そこで晩ご飯を食べつつその人と行動していたら、午後8時頃、有明西埠頭公園に向かって歩いていく人をちらほら見かけたので後を追ってみると、昨日の下見の時に会った人達を含めた集団を見かけた。
 ここが2日目に向けて徹夜する人達の並ぶ場所らしい。
 昨日の知り合いの方はこれからここに並ぶそうなので、今度こそ忘れずに相手の電話番号を確認し、明日の朝に備えた。
 明日の確保ができた自分は午後9時頃に市川へ戻った。


12月30日  冬コミ2日目


 30日、コミケ2日目。
 この日も午前4時頃に起きて、5時05分の始発に乗る。 でも、新木場に着いたら昨日よりも人が多い。
 りんかい線に乗ったら昨日よりぎゅうぎゅうで圧迫される感じだ。
 駅から東館の駐車場に着いて、昨日の人に電話して待機場所を確認して遭遇。
 あとは開場を待つだけ・・・だが、昨日より寒い今日、天気は曇っていて太陽は顔を出さず、その上に昨日で体力を消耗しているので厚着をしていてもガタガタと震えが止まらなかった。
 というのも、朝起きてから朝ご飯を食べる余裕がなく、買いに行くのに並んでいる間に列整理で戻れなくなると怖いので買いにも行けないからである。
 ちなみに昨日はというと、さらに開場してからもコス撮影でご飯を食べる余裕も無く、その後、知り合いの人を捜していたので、朝起きてから初めての食事が午後6時頃のマクドナルドだった。 つまり、明らかにエネルギー不足である。

 入場待ちをしている中、昨日、入場待ちをしていて知り合った人に昨日並んで買ったという「CUT A DASH!」の今回の新刊 「brilliant colors」 を見せてもらった。
 新刊は画集のようなもので80ページくらいあり、しかも全体の4分の3くらいがフルカラーで2000円だったそうだ。
 自分は特にこの作者のファンとかそういった気持ちはなかったが、新刊を見せてもらった時に
 「同人誌でこれだけの出来で2000円なら良いかもね・・・」
と思った。

 寒さに耐えながら開場まで待ち、みんながまた昨日と同じように走って東館の各ホールへ向かう中、列から外れてベンチに座り、走っていく人の流れを少しボーっと眺めていた。
 その時、走っていく人達の「何でこいつは同人誌を買いに走らずに座っているんだ?」って視線をビシビシ感じた。
 それからコスプレ広場へ向かった。
 昨日より寒いながらもコスプレは盛り上がっていて、昨日と同じようにバリバリ撮っていた。

 コス広場が終わった後、東館に出展している友人のところへ行き、コミケ後にお台場方面へ少し遊びに行った。
 この頃、自分はかなり寒くて震えていた。 東京に住む友人が平然としているのに、北国の自分が震えていた。
 でも、お台場のパレットタウンでクレープ1つを食べたら、先ほどまでの寒さも吹っ飛んだ。
 つまり、それだけギリギリだったのかもしれない・・・

 友人達と別れ、市川に戻ると午後8時頃だった。
 その夜は何も覚えていないくらいすぐに眠った・・・


12月31日(コミケ後日)以降


 31日、この日は秋葉原を探索。
 何店か年末休みに入っている中、開いている店を回ってゲームミュージックCDやゲームソフトを探していた。

 翌日の元旦、飛行機で釧路へ帰る。


・・・とまあ、初めてのコミケはこんな感じだった。


 ・・・それからかなりの時が流れ、自分はヤフオクを見ていた。
 そこで、この時の新刊「brilliant colors」が出品されるたびにチェックしていた。
 「定価超えでは買いたくないが、いつか手に入れられれば良いなぁ・・・」 と。

 そして2000年冬コミから6年余りが経過した2007年4月、ついに「brilliant colors」を定価以下で落札することができた。
 家に届き、これまた6年4か月ぶりにこの同人誌を手にした時、
 「やっぱ、この出来で2000円なら良いよな」
と、当時と変わらぬことを思った。